ノスタルジックラヴ

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家にあるレターセットはどれも子供じみた物ばかりで、私は学校の帰りにファンシーショップに寄り、薔薇の花のイラストがワンポイントついているのを買った。 何度も下書きをして、鬱陶しいと思われないように、でも自分の気持ちを伝えることは忘れずに文章を綴った。 翌日、先輩に手紙を預けた。 そしてそのあくる日の昼休み、先輩は私の教室にやってきた。 「今日は職員会議があるから部活なしみたい。で、さっちゃん、これ」 先輩から渡されたのは可愛いクマのイラストの手紙だった。 「えっ、これって……」 「うん。永瀬さんからだよ」 「ウソッ、返事貰えるなんて思ってなかった……」 「永瀬さんは優しいからね」 そう、彼はきっと誰にでも優しいのだろう。 私がまた返事を書いても、もう返してはくれないだろう。 そんな私の予想に反し、それから私と彼の手紙の交換は続いた。 彼は私のことがもっと知りたいと書いていた。 私は饒舌ではなかった分、文章を書くのは好きだったからそこに全て気持ちを注いだ。 でもふたりでデートをすることはなく、私たちの関係はなんだろう?と疑うことは常だった。
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