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もっと仲良くなりたい、もっと友達でいたい。と思ってくれたのか。そう思うと悦ばしげになり、ふわふわと心が軽くなった気がする。そんな私に宇部君も告げた。
「俺もこのデニムの裾、直してくれるかな? 君の手で、針で」
「え……」
私の体は、フリ一ズした。それと同時に胸に熱いものが過ぎる。足がふらつきそうになっている私に、彼は続ける。
「テ一プもええんやけど、君の針での手直しのほうがええな。俺も君に会いたい」
遠回しな言い方だったが、その言葉には、深甚な意味があると受け止めた。柔らかで暖かい陽光を思わせる瞳で、見つめられながら首を縦に振る。
「うん、私も会いたい……」
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