６年後の奇跡

中学生以来会っていないからかもしれないが、6年前に比べ、身長が伸びて少し低くなった声。

当時もカッコ良かったが垢抜けてよりカッコよくなったみひろくん。

「久しぶりだね、カノン。」

「ひ、久しぶり…それより、どうしてここに！」

「それは後で話すよ。カノンの事務所にも上手く話を付けて、このあと2人っきりで話せるようにしておいたからさ。」

「分かった。」

そしてみひろくんは、出口の方へ歩いていった。

「握手会に集中しなければならない。」

「ファンのみんなに喜んでもらわなきゃ。」

そんな思いでいたが、やはりこの後みひろくんと２人で話せると思うと嬉しくおもい、そちらに気が散ってしまう。

あぁ、どんなこと話そう。

今まで会わなかった6年間どんな事があったのかな。

彼女とかいるのかな…。
今日はどれくらい話せるんだろう。

明日はもう日本に行っちゃうのかなぁ。

そんな事を思っていると、あっという間に握手会が終わった。