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藤堂平助
「う、ここは・・」
「お、目が覚めたか嬢ちゃん」
「えっ、あ、あのっ」
おどおどしている藍を見て、目の前に居た
男性は声を出して笑っていた。
「俺は藤堂平助。ここは新撰組の屯所だ」
「藤堂平助、新撰組、もしかしてここは
江戸時代ですか!」
「はあ?何を当たり前の事を。お前
どこから来たんだ。その服は洋装か」
「あ、あの私・・」
未来から来た事を伝えたとしても
信じてくれる確率は低い。更に不審人物
だと思われたら何をされるか分からない。
何を言えばいいのか考えていると
「すまねぇ。起きたばかりなのに質問
しすぎた 。」
「い、いえ。私は綾瀬藍と言います。
職業は医師です」
「へぇ、あんた医師なのか?女の医師は
珍しい」
そんな話をしていると、急に襖が開き
1人の男性が入って来た。
「平助、女の目が覚めたら部屋に
連れて来いと言っただろうが」
「土方さん、ついつい話込んでて
忘れてました」
「ったく、お前は。もういい部屋を出ろ」
指示を受けた平助は一礼し、部屋を後に
した。
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