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1転生したら美少女令嬢でした
俺の記憶は──仲間を守ったという記憶で終わっていた。それは前世の話。
ただし今はお嬢様である。
「はぁ?!なんで俺がこんな!!こんなっ!!ドレス着てんだぁー?!」
言葉遣いは悪いが声は鈴の音のような声だ。
因みに俺と言っているが、前世も今世も女子だ。
「お嬢様?!如何致しましたか?!」
ドアを蹴破って、メイドが入ってきた。扉壊れるぞと思ったが頑丈なのか壊れてなかった。すげぇな。
「だ、大丈夫よ?」
ここはしおらしくだ──。
そこへ2人の男女までもが駆けつけた。
「アリーネ大丈夫かい?!」
「アリーネ!!何があったの?!」
ん?何だこの──イソギンチャクみたいな奴らはいや──両親だ。
「大丈夫かい?!」
そう言って両親が俺にすり寄ってくる。気持ち悪いので──つい…。
「あ"ぁん?触んじゃねぇえぇぇ!!」
そう言ってから気付く。この子はそんな奴じゃない。
「と言うのは、嘘なの。ふふふ…」
とにこやかに笑う。
そんな後付けの言葉じゃ、騙されてくれなかった両親はわんわん泣いた。
お前らは子供かよ?!と心の中でツッコミを入れた。
それから間もなくして──
俺は悟った。
俺に令嬢なんて無理だと。
「どう考えても、口が悪すぎる。顔にあっていない。」
そう喋っているのは鏡の中の自分。
プラチナブロンドの綺麗な長い髪に、癒す力を持ってそうな可愛い目に、小さな鼻に…唇。完璧な超美少女お嬢様だった。
俺の前世と言うと、切れ長の目で…染めて金髪にして…言っちゃうと、ぼさっとしてた。因みに頭だって悪い、理論?理屈より思いったったら行動派の俺だ。ただし喧嘩だけは誰にも負けなかった。男にもな?でもよ、この体じゃ…前みたいに動くには───何十年かかる??わかんねー。
でもだ。こんな所で、令嬢やるより──冒険者で金稼いで、体を動かしてる方が絶対!!俺にあってる。そうと決めたら、有言実行だ!!
俺は親のお金をくすんだ。
そうして、髪はバッサリと切って……男の娘として、冒険者になるべく──家を飛び出した。
───
─
みんな元気にしてっかな?
『姉御!!何してんすか!!』
『死なないでください!!まだ間に合いますから!!』
『まだ気を失っちゃダメっすよ?!!』
そんな仲間の声は遠くなって───
冒頭に戻るわけだ。
あーやだやだ。俺があんな呆気なく殺られるなんて思いもしなかったな。今度こそは生き延びる!!
街へ来て──
あちこち見て回る。
ギルドってどっちだ?
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