令嬢条件

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令嬢条件

背は高からず、低からず   殿方が口づけしやすいように。 笑い声は軽やかがよいけれど   夜の吐息は雌豹の呻きで。 馬にも乗れたほうがよい、   師の“(むち)”は有り難き。 貴婦人ならば振り袖の   帯を(ほど)かず揺する腰     足袋まで“涙”を落としつつ。 母上の間男、納戸で見つけても    知らぬふりして戸を閉ざす      決して“ 拝借”せぬように。 初夜の(ねや)    初夜でなくとも初夜のふり ドレスの数だけ男あり    夜の数だけ恋もある。      欲の輪舞(ロンド)を    見事に舞えば      鹿鳴館の華と咲く。                      
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