69人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「“黒猫さま”のお爪・・・
それはまるでヴィオリンを
奏かでるような様子とか」
「細かく?」
「ふふ、皮膚に波動が
生まれるそうな」
「はあ・・・」
皆、己れの両の腕を抱いて身震い。
「それで話題の“尻尾”で、
ございましょ?」
互いに顔を見合わせて
頬染め溜め息の“尻尾”とは・・・
「それは長くて」
「骨太で」
「程よいところに
程よいホクロ」
「奥様もお聞きになりまして?!」
「なぜか不思議な大ボクロが」
「くねると」
「あらあ!」
「刺し貫きされると」
「ああ!もう高熱!」
ヴィオリストは軽やかな調べで
奥様方を夢の彼方へ・・・。
最初のコメントを投稿しよう!