黒猫男爵

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「“黒猫さま”のお爪・・・  それはまるでヴィオリンを  奏かでるような様子とか」 「細かく?」 「ふふ、皮膚に波動が  生まれるそうな」 「はあ・・・」 皆、己れの両の腕を抱いて身震い。 「それで話題の“尻尾”で、  ございましょ?」 互いに顔を見合わせて 頬染め溜め息の“尻尾”とは・・・ 「それは長くて」 「骨太で」 「程よいところに  程よいホクロ」 「奥様もお聞きになりまして?!」 「なぜか不思議な大ボクロが」 「くねると」 「あらあ!」 「刺し貫きされると」 「ああ!もう高熱!」 ヴィオリストは軽やかな調べで 奥様方を夢の彼方へ・・・。    
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