4. 翔

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*  結局、告白の返事を聞けないまま遠足は終わり、あのカレーの隠し味もあずに聞けないままだった。そんな風に、ちっとも俺らしくないままで、週末まで終わってしまいそうだった。  俺から連絡することは、あずを追い詰めてしまいそうな気がしたし、もしスマホの文字で振られたら悲しすぎる。  それに、万が一、あずも俺のことが好きで、付き合えることになるのなら、その返事はあずの声で直接聞きたい。  何度も受話器マークに指を近付けては、思い切れずにネガティブな想像をする。  俺ってこんなに情けなかったっけ?  そんなことを繰り返しているうちに土曜日は終わり、日曜だって、ウダウダしたまま終わろうとしていた……  何となく薄暗くなってきて、そろそろ部屋の電気をつけなきゃな。なんて考えていると、スマホの画面が光った。そこに@あず「明日の放課後時間ありますか?……」という文字が一瞬見えた気がする。  これは……どっちだ?  俺はそのメッセージに、寝る寸前まで既読を付けることができなかった。
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