コロナ渦中の闘病日記-21,手術前日② 看護師続々-

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コロナ渦中の闘病日記-21,手術前日② 看護師続々-

ICUの看護師、手術室のオペ看、そして外科の看護師。+直前まで検査付。 ワラワラ人が出入りして慌ただしい開胸手術の前日だった。開胸手術にあたり各部署の看護師が色々説明をしてくれるのだ。これから手術を受ける方に下記参考になれば幸いだ。心臓血管外科の手術なので一例として。 【ICUの看護師】 集中治療室で担当する元心臓の専門病院で勤務していた看護師が病室に来た。心臓の手術をよく知る看護師で、ここぞとばかりに質問を投げ掛けた。不安で押し潰されそうになっていたのだが、ICUの看護師から自身の感染性心内膜炎について色々聞けてだいぶ落ち着いた。 感染性心内膜炎は心臓の病気の中ではわりとスタンダードな病気で、私の場合は心臓が奇形ではないので手術の難易度として普通くらいだという。 手術前に「手術は嫌だ」と情緒不安定になるのは老若男女問わず同様の傾向なので、不安はどんどん吐き出して欲しいと言われた。 遠慮なく吐き出した。怖いものは怖い。 不明熱が出るのが初期症状の特徴で、感染性心内膜炎になると大半は手術を余儀なくされる。まれに軽傷で外科手術をしない患者もいるが、心臓に病巣がある以上、取り除かないと治らない病気だ。 励ましてくれたのだと思うが。。。とある感染性心内膜炎の患者の話は衝撃的だった。 20代後半の仕事バリバリの独身男性が、感染性心内膜炎にかかり入院してきた。それ以前から高熱におかされ度々会社を休んでいたという。ジムにも通って適度に運動していたからまさか心臓に病巣があると思わなかったそうだ。(普通心臓が悪いとか思わないわ) 入院後、点滴による治療を行っていたが退院の目処がたたないことからなんと会社から解雇を言い渡された。クビである。 追い討ちをかけるように当時付き合っていた彼女にも振られた。治る見込みがあるのかないのか分からない病気の彼氏に付き合いきれないと一方的に振られたそうだ。 災難に見舞われた彼の話はそれで終わらなかった。 結局、点滴だけでは治る見込みがなく開胸手術を余儀なくされたのだ。外科医につめられ、しぶしぶ開胸手術に応じた男性はかなり憔悴していたという。 。。。怖くて男性がその後どうなったのかは聞かなかった。 【オペ看】 手術室で執刀医をサポートするオペ看もきてくれた。手術当日の流れの説明をされ、いよいよ決戦か、と胸がきゅっとなった。 手術室に入ったらすぐに全身麻酔をかけてしまうので、次に目が覚めるのがICUになるからと淡々と説明をされた。電気メスで胸骨と心臓を切るから、指輪やアクセサリーは一切つけないでくれとのこと。 おぉ、電気メスかぁ。今の医学ってすごいなぁ。 現実逃避なのか何なのか。今となっては分からないが、電気メスで身体が裂かれることにちょっとワクワクした。 あとラテックスアレルギーが発覚したので、ゴムの成分が含まれる医療器具や手袋などは一切使われないことになった。 入院してからコロナの感染対策でゴム手袋をしていたのだが手が被れて痒かった。なんとゴムアレルギーが手術前日に発覚したのだ。 心臓やその周辺組織に触れたときにアレルギー反応が出ると、心臓が止まる恐れがあるという。 何てことだ。発覚して良かった。 【外科の看護師】 担当している看護師から手術の前日にシャワーを浴びる際に声をかけてくれと言われた。 昼食と点滴を終え、一緒にシャワー室へ行き、下の毛をバリカンで剃られた。。。自分で剃るか?看護師にやってもらうか?究極?の選択の末、バリカンを生まれて一度も使ったことがないのでお願いした。 更に全身の毛のチェック。脇の下、お腹回り、腕、足。毛深いとそこも剃られる。 勿論ちゃんと理由がある。電気メスを使用したり、お腹のあたりにリード(電源?)を通すので毛に引火して火傷を負わないためである。脳の手術ではないので頭の毛はそのままで済んだ。 他人に剃られるのにかなり抵抗があったのだが、術後、外科に戻ってから20代後半と思われる女性がバリカンを持った看護師と共にシャワー室へ入っていくのを見た。 同志がいた!これからバリカンタイムだね! 大丈夫、手術無事終るよ!バリカンで刈られるくらいどおってことないよ! シャワー室にしずしずはいる彼女に無事彼女の手術が終るよう心から祈った。 そして臍の汚れまで取って頂いた。。。 心臓と臍はわりと近いので、雑菌が臍からはいると手術で体力が無い身体にはかなり応える。合併症も引き起こし兼ねない。 もぅいいです、1人にさせて下さいとも言えず、病室のベッドに仰向けになり大人しく臍を綺麗にしてもらった。 手術前日は夕飯以降は何も食べられず、水分は多少とれるが、当日までに腹の中を空にする。 手術前日は眠れなくて辛いかなと危惧していたが、昼間散々看護師の皆さんに話をして疲れたのかぐっすり寝てしまった。 目が覚めたらいよいよ手術室へ向かうのである。
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