First contact

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鬱陶しい。 「でさー、その店の子が超可愛くて!」 うるさい。 「最近彼女が俺の事避けるんだけど」 俺には全く関係ない。 俺の周りに集まる人。 休み時間のたびに勝手に周りに来て騒ぐだけ騒ぐ。 俺は会話に入らずに机に頬杖をついて外を眺めていた。 いつの間にか友達になっていた奴らの会話を聞き流してボーっとする。 そんな俺の肩を急に抱く一人の男。 「(りょう)!何退屈そうにしてんの?会話混ざれば?」 そう言ってくるのは小学校からの友人である葉月(はづき) (しゅん)。 俺が唯一信頼できる親友だ。 正直こいつ以外の奴らを信じれるかと言われると微妙な所。 人なんて、勝手に人を利用して、いらなくなったらポイ捨て。 それだけだ。 関わって無駄に傷つくのは馬鹿げてる。 俺はため息をついて舜の手を払った。 携帯にメールが届いたのか音が鳴る。 開くと、この間一緒に『遊んだ』女の人からだった。 ……面倒だな。 特に返事を返すこともなく携帯をしまう。 この世界は俺を放置してはくれない。 一人にはさせてくれない。 顔だけで人の事判断して、勝手に寄って来て、騒ぎ立てて。 本当に、嫌になる。 俺はそのまま机に伏せた。 何もしたくない、聞きたくない。 この世界なんて、大嫌いだ。 _____________________________…… テスト前だということもあり周りは必死で勉強している。 俺が一人になりたいことなんて舜にはお見通しだったのか、友達の目を引いてくれて俺は一人で教室を出る事が出来た。 とりあえず、舜が来るまでどこかで時間潰すか。 静かになれて、それに一人にしてくれる場所。 思いつく場所は図書室しかなかった。 うるさい奴らが好き好んで来るような場所じゃない。 案の定中に入ると静かに本を読んでいる人や勉強している人しかいなかった。 派手な見た目な奴は一人もいない。 良かった、ここなら静かにいられる。 ホッと息をついた。 それから窓際の適当な場所に座った。 カバンから数学の時に出された宿題のプリントを取り出す。 それから特に悩むことなく解いていく。 昔から勉強は出来る。 何故だか分からないけど、すべてが簡単に思えるのだ。 ・
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