歌う

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最初は拙い言葉で、 売れている小説なんかを真似てみて、 好きな言葉を繋いでた。 好きな女の子の姿、 かっこいい主人公。 そんな偶像虚像を並べて遊んだ。 俺の好きな、俺の小説ができた。 それが嬉しかった。ただ、出来上がったことが嬉しかった。 それでも才能と呼べるものは何も無くて。 ただ誰かに届けばいいと思って、そのくせ閲覧を気にした。 なのに俺に夢を持たせるように、 目の前の人が俺を才能だと言うから。 俺はありもしない自信も持ってしまったし、 悲しく。ありもしない才能を見せつけられた。 これで飯を食うことはできない。 そんな風に、感じとるしかなかった。
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