「闇ー始動」

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闇ー始動372fe5271-5aa2-48b7-9ec8-288805c76dc4 ーエピソード1ー 「闇/切っ掛け」1  著作 KATAKANA 事の発端は石塚直樹が、 今ブームになっている 例のオカルト本 『死人館100選』 を買い込み、 教室に持ち込んだ事から 始まった。 「おまえサ、 はんとガキだよな~?」 その日も、 超常現象を信じない 中村秋斗が、 証拠にも無く…… 直樹にからんでいた。 もちろん、 秋斗は『死人館100選』 について 真意を確かめるべく…… からんでいるのだが……。 俺から見ると、 本の事より…… 直樹が、その本をネタに 女子達と話し込んでるのが、 気に入らない様にも見えた。 「そんな本ばかり読んでるから、 天才となんとかは…… 紙一重って言われンだぜ?」 これは、うそ半分…… ほんと半分って所かな? 直樹は頭が良い。 どうあがいても、 秋斗に直樹の成績は破れない。 悲しいかな、 体育会系と文科系との差が、 これほど表れているのも 珍しいモンだと思うのだが。 それに、なかなかモテる。 広い知識と、 好感の持ちやすい話術。 気楽に女の子と 付き合うためには、 最低限、持って 無きゃならないもんで、 直樹は…… それを実にうまく使い分ける。 一方、秋斗は…… バスケ部の次期部長候補。 体格も、 2年のわりに 3年生と良い勝負だし、 動物的直感でボールを奪う 感覚は絶妙だ。 男の俺としては、 秋斗みたいに 常に対戦相手に マークされる様なヤツに なってみたい…… と思ってしまうのだが……、 女の子達は得てして、 少年マンガに出て来る ヒロインの様に、 スポーツクラブに どっぷりのヤツを、 あまり好いては くれない様だ。 得に、短気な秋斗は なおさら敬遠したいタイプ の1人だろう。 俺だって…… 試合前のあいつとなんか、 距離を置いて居たい方だ。 とても話しずらくなるし、 もちろん軽口も冗談も 通用しない…… なんかもうピリピリで……。 俺が……そんななんだ。 気の小さい女の子では……、 恐くて近づく事は まず出来ないだろう。 たとえ…… 心を寄せていても……。 「悪いね~。 僕は《知識は浅く広く》が、 モットウなんだ。 勉強でも、雑学でも!」 俺は頭を抱え込んだ。 「闇/切っ掛け」1、完! 次回に続く……?!
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