朝に想ふ

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サキは優しいから。 姉と比べられて両親からも見放されたあたしを不憫に思ったのだろう。 同情したのだろう。 『あたしにはサキにしかいない』 『抱いて』 中学生のませた餓鬼が、取り返しのつかない言葉とは知らないまま口にしたそれをサキは受け入れてくれたんだ。 サキの話を聞いたのは、二回目の時。 だけどあたしはその話を聞いても申し訳ないなって浅いとこで思うだけで全然、後悔はしなかった。 サキが身体だけでもあたしを求めてくれているんだって思ったらとても満たされたから。
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