<30・浄罪の時>

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 *** 「くっそ、うまくいかねええ!全然ゴールに入らねえ!」 「荒れてるな、幸次(こうじ)。それ、シューズの設定が間違ってるんじゃないか?」 「へ?……マジで?」 「バーチャルサッカーは、シューズとユニフォームの設定をするところから勝負が始まってるからな。フィールドを自由に飛び回れなかったら他の選手と衝突するし、そりゃボールの軌道もおかしくなる。……ほら、これでどうだ?飛んでみろ」 「へ?……お、おおおお!すげえ、全然動きやすくなった!すげえな(あおい)!さすがうちのガッコのエース!」 「お前もすぐ上手くなるよ、幸次。ていうか、高校から本格的に始めるつもりなんだろ、バーチャルサッカー。どこ進学するつもりなんだよ」 「ナミ高!……え、まさか葵も同じとこ来る気か!?頭いいのにマジで!?」 「おう。高校からは同じ部活で頼むな。偏差値より、お前と一緒にサッカーしたり、ゲームしたりできる方がずっと大事だし」 「やめろよはっずいな!……高校でもよろしくな葵。絶対お前をナミ高のエースにしてやっからな!!」 「そりゃ頼もしいな、幸次。というわけで、受験も一緒に頑張ろうぜ」 「うわあああ、思い出させんな、ばかー!頑張るけど!頑張りますけどもー!!」
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