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「はぁ、はぁ、間に…あった………」
普通の人なら走って10分かかる距離を4分で到着すると、息を整え、身だしなみを確認し、いつもの様に登校する。
風紀委員長の入学式の挨拶は幸いにも
まだ時間がある。
「あ!お、おはようございます!
風紀委員長様!」
「ああ…おはよう。………それより、襟元が乱れているぞ」
「へっ?………あああ!も、申し訳ありません!!!こ、これからは気をつけます!」
「ああ、是非とも、そうしてくれ」
「は、はいぃ」
何やら、恍惚とした表情を浮かべる生徒を置いていき、自分は体育館へと向かう。
無事、体育館に着くと、ある人物が目に入る。
「おはよう、時雨」
「おはようございます。今日は、いつものより遅いですね。何かあったんですか?」
「ああ、実は人生初の寝坊をしてな」
「そんなんですか。てか、人生初ってすごいですね。いつも、時間や校則に厳しく、堅物委員長として、知られている貴方が」
「………知らぬ間に、不名誉なあだ名をつけられたものだな………」
「自業自得でしょう」
この、軽口を交えあっている相手は、
時半時雨、風紀副委員長である。
時雨は1年生の時に俺と同じ、風紀委員をしていた数少ない友人だ。
「それより、そろそろ挨拶の時間では?」
「おっと、それもそうだな。せっかく間に合ったのに遅れるところだった」
「早く行ってきて下さい」
「分かった。ありがとう」
「いえ」
急ぎ足で体育館へと向かうと、既に理事長の挨拶が終わり、生徒会メンバーの挨拶が始まるところだった。
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