夕日が綺麗ですね。

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「それでは、続いてのご挨拶を生徒会長様!お願いします!」  生徒会長が舞台に出てくる。  その瞬間…………  キャャャャーーーーーーーーーー!!!!!! 男だと思いたくない程の高い声で、黄色い声が体育館中へと響く。  (み、耳が………!!)  声は中々鳴り止まず、そろそろ耳に限界がきたころ……  「黙れ」  生徒会長のその一言で、体育館が静寂に包まれた。  「俺様がせっかく出てきてやったというのに騒ぐな。 俺の名前は常円寺 一喜(しょうえんじ いっき)だ。 俺様が言うことは一つ。 ………くれぐれも、俺様に迷惑をかけるな。 以上だ」  偉そう。その一言につきる挨拶をすると、常円寺はさっさと後ろに用意されていた無駄に豪華な椅子に座った。  (ああいう、タイプは嫌いなんだ……)  俺がそう思っていると、司会者が次の奴に挨拶を促していた。 「常円寺様!ご挨拶ありがとうございます! 続いてのご挨拶を副会長様!お願いします!」 「初めまして。ご紹介あずかりました。生徒会副会長の泉山 辰巳(せんやま たつみ)と申します。以後、お見知りおきを ………それと、騒がしいのは好きではありませんので。」  最後に少々、不穏な事を言い残し  ニコッと笑うと……… キャーーーーーーーー!!  さっきとまではいかないが、またしても歓声という名の悲鳴があがる。  「罵って!存分に罵ってくださいぃぃー!」  「踏んでくれ!踏みにじってくれぇぇぇ!!」  …………………どうやら、副会長は特殊な方々に好かれているようだ。 「泉山様!ありがとうございます! 続いてのご挨拶を会計様!おねがいします!」  「はいは~い☆ 紹介ありがと~、僕の名前は獅子宮 椿(ししみや つばき)だよ☆ みんなよろしくね~♪ と・く・に、かわいこちゃんは大歓迎☆」    キャーーーーーーーーー!!  悲鳴が聞こえてないかのように、普通に笑いながら手を振り、後ろの椅子に座る。  (常円寺の言葉が効いたのか? 出てくる時の声はなくなったが、終わった後が………)  「獅子宮様!ありがとうございます! 続いてのご挨拶を庶務様方!おねがいします!」 「「は~い! ボク(ぼく)たちの名前は!」」  「ボクはお兄ちゃんの最上 楽永(もがみ らくと)と!」  「弟の愛永(あいと)だよ!」  「「よろしくね~~!」」  挨拶の時でさえ、クルクル回っているので、既にどっちがどっちか分からなくなった。  ウォォォォーーーーーー!!!!  おっと、今度は野太いな……  「かわいい!!かわいい!はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」  …なんか、今ヤバイ奴いなかったか……? 「最上様方!お二人共ありがとうございました!続いてのご挨拶を、書紀様!おねがいします!」  「ん……な、まえ……縞至(しまじ)(ひいらぎ)………よろしく…」  キャーーーーーーーーーー!!  「書紀様!愛でさせてくださーい!!」  「寝顔!寝顔の写真撮らせてー!」  なるほど、みんなは縞至のことをペット認識な訳だな。……うん…そうだ…そういう事にしておこう…  「縞至様!ありがとうございました! 次の挨拶は、風紀委員の方々におねがいします!」  (そろそろだな、噛まなければいいのだが)  「風紀委員長様!おねがいします!!」
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