夕日が綺麗ですね。

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少し緊張したが、舞台下に座っている生徒が何人か鼻血を出しているのを見て一瞬で引っ込んだ。  そして、何より………  キャャャャーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!  最初の声とは比べものにならない程の悲鳴が聞こえたからだ。  教師達が宥めようと頑張っているが、中々鳴り止まない。  「静粛に」  しかし、俺のその一言で一瞬で静かになった。  「すまない。あまり時間をかけると後がつっかえてしまうからな。 俺の名前は、那之原 一正だ。 今年から、新しく風紀委員長になった。何分、初めてのことで至らぬところが多いだろうが、よろしく頼む。 そして、新入生は この白涼実(しらすずみ)学園へようこそ。 楽しい学園生活をおくってくれ。」 ……………………  おい、司会進行しろよ  「どうした、何かあったか? 何もなかったのなら進めてくれないか」  「へっ!?……は、すす、すみません!! つ、続いてのご挨拶を風紀副委員長様! おねがいします!」  つっかえながら言ったが、進みそうだ。  「ご紹介あずかりました。風紀副委員長にならせていただきました。 時半 時雨です。これからよろしくおねがいします。以上です。」  時雨は、言うことだけ言うとさっさと戻ってきた。  「お疲れ様、時雨」  「そちらこそ、お疲れ様です」  「次は、新しく入った風紀委員達の挨拶か?」  「はい、そのはずなんですが……」  「?…何かあったのか?」  「それが、一人…来てないんですよ……」  「来てない?何かあったのか…?」   「分かりません。なんの連絡も入っていないんです。」   「そうか…だが、今すぐどうこう出来る問題ではないだろう。一旦、保留にして後で、考えよう。」  「そうですね。そうしましょう……」  「ああ…そういえば今年は何人の生徒が風紀委員会へ?」  「5人です。まぁ、来ているのは4人ですが。」  「そうか、もう少しで始まるな…」  「そうですね。席に戻りましょうか。」  「ああ」  (来てない風紀委員は大丈夫なんだろうか……?  入学式が終わったら、探しに行こう。) 「それでは、風紀委員の方々おねがいします!」  司会者がそう言うと、最初に真面目そうな生徒が入って来た。  「ご紹介あずかりました。新しく風紀委員に入らせていただきます。 三尾地 竜樹(みおじ たつき)といいます。 これからよろしくお願いします。」  「ありがとうございました! 続いての方おねがいします!」  生徒たちも落ち着いて来たのか、さっきとはうって変わって静かにしている。  「ん?次は、俺かいな? おーおー、すまんな! 俺の名前は南乃 衛(みなみの まもる)や!  分からん事が多いからな、迷惑かけることも多いやろうが、よろしゅうな!」  声がでかいな  挨拶運動に向いてそうだ。 「ありがとうございました!  続いての方おねがいします!」  今度は緊張の面持ちの生徒が出てきた。  「は、初めまして! い、1年生ですが風紀委員にならせていただだきました!  方上 美弥次(ほうじょう みやつぐ)です!  よ、よろしくおねがいします!イテッ!」  勢いよく頭を下げ過ぎたせいか思いっ切り頭をぶつけた。  痛そうだ……  言葉もなんかおかしくてなってるし……  いただだきましたって……  「ありがとうございました! 続いての方おねがいします!」  いよいよ、最後か……  「はじめ…まして。 1年生ですが風紀委員に…ならせていただきました。 藍川 晃(あいかわ あきら)……です。  よろしくおねがいします。」  ずいぶんと声が小さいな、マイクがなければ聞こえないくらいだ……  「あ、ありがとうございました!  新しく風紀委員になる方は、本来なら5人いたのですが、1人は欠席とのことです。  それでは、これで入学式を終わらせていただきます。  各担任の先生方、案内おねがいします。」  俺も移動しよう。  「時雨、俺は来ていない風紀委員を探してくる。何年生だ?」  「2年です。わざわざ探しに行くんですか?」  「ああ、何か事件に巻き込まれでもしていたら大変だからな」  「そうですか。気を付けてくださいね」  「もちろん。ありがとう」  そう言って、一正が出て行った約20分後  時雨は大変な事に気付いた。  「あ、名前教えるの忘れてた……… まぁ、いっか。委員長なら大丈夫ですかね。」  だが、案外時雨は面倒くさがりなのである!
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