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「一生かけてでも妻を探します」
お天道様が顔を出す前に笑いながら男は出て行った。
小さくなってもう見えなくなった男を思いながらオラ達は村の入り口にいる。
昔、オラのせいで逃げ出したカカさんを探した記憶が蘇って来る。
カカさんはあまり飛べなかったがそれでも探すのは大変だった。
「あきらめなければ見つかりますよ、私はちゃーんと知っていますもの」
カカさんが嬉しそうに笑っている。
男もいつかちゃんと見つけられればいい。
明るくなってきた空に鳴き始めたカカさんの口を抑えながら、オラはそう願った。
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