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第5話 手がかり発見 【現在】
「おばさん、こんにちわ。
お通夜の時はお世話になりました。
カズヤの急なお葬式大変だったでしょう。
お疲れ様でした。
お通夜でもお話したのですが、
今日カズヤの部屋の中を色々調べたいので
中に入っても良いですか?」
マサキはカズヤが何故自殺してしまったのか
絶対追求してみせるという意気込みで
カズヤの家へやってきたのである。
マサキはカズヤの母親に承諾を取ると
カズヤの部屋へ入るなり目をつぶりカズヤの
事を思い出していた。
(そうそう出会いはクリスマスイブだった。
初めて会って車泊して朝帰りしたんだった。
それから俺はその翌日から高校時代の仲間と
一週間岩手の山奥のスキー場へ旅行に
出掛けたんだよ。まさか、その間にカズヤが
必死になって俺に携帯で連絡してきたのは
流石に驚いたよな。岩手の山奥に居たから
元旦までずっと圏外だったっけ。
そんな風に俺の事を想っていたなんて
判らなかったよ。でもカズヤから聞いた
2丁目の老専バーに行ってたのには笑えた。
どちらかというとカズヤは年下好きじゃんか。
そんな事あったなあ)
マサキは懐かしさが込み上げてきて、涙が
滝のように溢れていき、そこで泣き出した。
「カズヤ、勝手に一人であっちの世界に
行かないでよ。一言俺に相談してくれよ。
死ぬ事ないじゃないか」
マサキは想いにふけってから、カズヤの部屋
の中を色々と調べた。
カズヤの机の中を開けて調べると、
薄いファイルがびっしり詰まっていて
そこには仕事の書類が山程入っていた。
「あっ!これ手帳。」
薄いファイルの一番下に手帳が隠れていたのを
マサキは発見したのである。
ーーー日記の内容ーーー
1月○日 マサキと会う
1月△日 マサキと会う
1月□日 客(保坂)と会う
2月○日 マサキと会う
2月△日 同僚(柴田)と会う
2月□日 マサキと会う
3月○日 客(保坂)と会う
同僚(柴田)と会う
マサキと会う
死にたい。マサキごめん。
ーーーーーーーーーーー
マサキはカズヤの日記を見て死にたいと
書かれてる筆跡を見て唖然とした。
この文字は紛れもなくカズヤの文字で
カズヤが本当に死にたがってる事が
判ったからだった。
他に押入れ、ゴミ箱、パソコンなど
色々探したがこれといって手がかりに
なるような物は無かった。
(カズヤが死ぬ前日俺と会う前に、
保坂と柴田って人にも会っているな。
仕事関係の人かぁ。念の為、薄いファイルを
全部見てみるか)
マサキは何時間もかけて全ての薄いファイルに
目を通したがこれといって手がかりになるものは
無かったが、保坂という客と柴田という同僚の
名前/年齢/住所/電話番号が書かれてあったので
それをメモした。
それからカズヤのおばさんに手がかりを報告
してから帰宅した。
(カズヤ、本当に自殺したんだな。
でもなぜ?一体何があったんだ。
今度保坂と柴田って人に会って色々と
聞いてみるか)
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