何故か上手くいかない。

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教室の前、初めての学校でドキドキすっごく緊張してるっ…!! なんてことも無く、呼ばれるのを待つ。 絶対この容姿じゃブーイングの嵐だろうな……。 でも、その中でも俺はイケメンの彼氏を手に入れるために頑張る!! 多分…!!! 「転校生がいる。一智好、入ってこい。」 「一智好だって。可愛い名前だね。」 「どんな子かなー、可愛いといいな〜!」 「イケメンこい!イケメンこい!!」 「抱かせてくれそうなやつ!!」 「たくましい子かなぁ〜。」 「王道こい!!!!」 ザワザワと騒がしくなる教室内など気にせず、 気だるげな声を合図にガラリとドアを開け発声練習かって如くに自己紹介をする。 『一智好 望央だ!!皆気軽に望央って呼べよ!!』 ちなみにさっき教室入る前に急いで調べた。 「えー、イケメンじゃない……。」 「なにあのモジャ。きも」 「ちょーキモイんだけど!寄らないでよね!」 「うげぇ。最悪……」 「ktkr王道!!」 などなどなど、悪口のオンパレード。 やっぱりかぁ〜 「一智好は窓際の一番後ろの席だ。」 『おう!えーっと、あっ!!望央って呼べよ!』 急いで言うセリフを思い出したがちょっと怪しかったかもしれない。 まぁ、多分バレてない……と信じたい。 自分の席に行く途中、足がわざとらしく出された。 まぁ、普通に避けるがそういえばマニュアルになんか書いてあった気がする……。 やべ、調べよ。 素早い携帯捌きページを開く。 「え、なんか調べ始めたよ?」 「なんか、どうしたんだろうね。」 ソワソワとしているまわりなど関係なしにページを調べる。 《出された足には引っかかって床に熱烈なチュー》 『やべ、おい、さっき足出したヤツ!もう1回出してくれ!!』 「は、はぁ!?何言ってんの!?」 『いいから!』 「……もーう!!これでいいの!?」 出された足を跨ぎ、今度はわざと足に引っかかる。 顔面から床にチューをかました。 若干鼻が痛いがまぁ、いっか。 『ありがとう!!足痛くなかったか?』 「…べ、//別に!!」 目線を合わせて手を握ってお礼を言うと何故かいきなり目の前の子の顔が真っ赤になった。 『顔赤いけど、大丈夫か?』 そっとおでこに触るが別に熱があるというわけでは無さそうだ。 よかった。
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