何故か上手くいかない。

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食堂の前まで来た時、思わず顰め顔になった。 『…ぇ"』 食堂の扉は校門と同じくらい大きく、なんか絵まで掘りこんである。 扉の至る所に金粉がまぶされていてもはや眩しい。 あ、そうだ。マニュアル見とこ。 えーと。 《食堂に入ったらオムライスを頼もう!! 生徒会が来てもまずは知らないフリっ!そのうち向こうから話し掛けてくるはずよ!!》 まぁ、ほかのも色々書いてあるが説明がめんどくさいので割愛。 『と、扉開けていいか!?』 「いいけど、扉開ける時は耳塞がないと」 『そうなのか!?』 と言いながら、俺はバンっと食堂への扉を開けた。 しっかりと感情と行動がリンクしていないのを感じるな!!! 開けた瞬間やはり2人ともものすごく驚いた顔をしていて、萌川にはなんなんコイツみたいな目で見られた。 その直後…… きゃぁぁぁァァァァ!!! 耳を劈くばかりの黄色い悲鳴が聞こえた。 てか、なんか声高すぎじゃね? 皆声変わり遅いなぁ。 これからかな? ちなみに俺はこの声結構高めだけど、もう声変わり済みだよ。 元はもっと高かった。 そんなことを説明していると、いきなり視界がグラグラと揺れだした。 下を見ると、般若の顔をした萌川が胸ぐらをつかでいた。 「馬鹿なの?身体に神経通ってないの?」 『はい、すみません。』 「まぁまぁ…」 その後食堂の真ん中で正座で説教された。 『やっとご飯が食べれるぅ!!』 周りからのヤバいやつ目線からも解放されて気分スッキリだぁ!! 「一智好は何食べるの?」 『オムライス!!』 さっきこれを頼めってマニュアルに書いてあったし!俺普通にオムライス好きなんだよなぁ。 「僕はペペロンチーノ」 「え?萌川って辛いの大丈夫なの?」 それな。萌川って見た目から辛いの苦手、苦いの苦手、甘いのだーい好き。って感じするじゃん。 「馬鹿にしてんの?」 ガンッ 「い"た"っ!!」 目の前で物凄い勢いで足を踏まれて悶絶する佐江川を見てこうならなくてよかったとこれまで思ったことはなかった。
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