233人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ、そういえば佐江川さー。」
ニコリと微笑みながらこっちを見る姿がまさに鳥肌級に怖い。
「は、はい!」
「前、今度食堂来た時奢ってくれるって言ってたよねー!」
ぐいっと迫って上目遣いで佐江川を見ながらそんな悪魔みたいなことを言っている目の前の奴はやっぱり怖いと再認識。
なんか再認識多くね?
「へっ!?そ、そんなこと一度も…」
「言ってたよねぇ?」
(((カツアゲ…?)))
ギャラリーは変人と顔だけは可愛いヤンキーに囲まれた1人の爽やかな男子高校生を密かに憐れむのだった。
《唯一の常識人=佐江川》
果たして本当に常識人かは……また別の話。
あ、あの席空いてる!
「ちょっと、先行かないでよね。もっと面倒なことになったらどうすんの。」
あ、俺今引き摺られてる。
俺!今!引き摺られてる!!
大事なことは2回言おうって習ったから言ってみた。
知らないうちにどうやら会計も終わっていたらしい。そういえば俺の財布どこだっけ?
ん?そもそも俺お金払ったっけ?
ん?んん?んんんんん?
オムライスは?
席に着いても俺のオムライスだけはいつまでたっても現れることは無かった。
もしや……
『ちょ、ちょっと聞きたいんだけど……』
「なに?」
食べているのを邪魔するなという強い意思が伝わるが俺はその食べるものすらないんだ。少しは許してくれ。
『俺のオムライスは、?』
「あっ、ごめん。萌川のですっかり忘れて……」
今気づいたとばかりに言っているが、お前……。
俺のオムライスだけいつまで経ってもどうみたって来てないだろうよっ!!!
「はぁ?僕のせい?ていうか自分で買うくらいしなよね、」
許してくれなかった。
相変わらずの塩対応でございまして……。
最初のコメントを投稿しよう!