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これまたごめんごめんと笑って立ち上がる。
そのとき、ちょうど俺がこの不良に声をかけられて1番動揺した理由を思い出した。
『あ、やばっ!』
カシャリ
俺のつけていた瓶底メガネが落ちる。
またもや晒されたクリアな外の世界に何はともあれやばいという言葉が先立つ。
下に落ちた瓶底メガネを穴が空くほど見つめる。
どうやらこのメガネ……
想像よりも脆いらしい……………………!!
レンズ部分はかろうじて無事と言えるが、フレームがダメだ。
やはりいつ何時もこの厚いレンズの重さを支えているから壊れやすいのだろうか。
そして、今まですっかり存在を忘れていた不良とばっちり目が合う。
今まで何となくイケメンそうというイメージで見ていた不良は紛うことなきイケメンだった。
「え、お前…………」
『、あ…あははは。………忘れてくれ不良くん』
スライディング土下座( ┌ ε°。)┐
《こういうときは潔くをモットーに!》
俺が退いたことによってスクッと立ち上がった不良の退路を塞ぐように居座る。
「……とりあえず。俺の名前は不良くんではなく唯月 眩ーユヅキ ゲンーだ。」
『おう!宜しく!!眩!!』
そう笑うと眩はその名の通り、さっきまでとは想像つかない眩しい笑顔を見せてくれた。
あ、そういえばマニュアル見てないや。
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