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その頃の望央くんは……
あ、てかやばっ!!
昼休みの時間もう終わる!
授業始まる!!
『ごめん!弦!先行く!!!』
急いで色々ぐちゃぐちゃになったメガネを拾い、弦に手を振って屋上から出る。
カツラなんてものを全く忘れて……
勢いよく階段をかけおり、廊下を早歩きする。
なんか、妙に視線感じるなぁ……。
そう思い周りをチラリと見てみるが、俺を見て顔を赤らめている人が多い。
なんでだ?俺はマリモなのに……?
ん?マリモ?
そういえば頭も軽い気がする。
ぺたぺたと髪や顔を触るとあら不思議。
いつもの俺ではないですか。
『……ぁー、やべ。』
人って本当にやばいって思ってるときは、却って落ち着くんだよな。
《望央に落ち着く時間が果たしてあるのか……》
どうしよ……。
このまま教室には行けないしな。
けどカツラをまたつけたら、逆にその顔でそのマリモって誰だよ!って話になって特定されるから取りに行けないよな……。
寮、行くか……。
とぼとぼと寮に1人で歩く。
まぁ、道は何となく。意外となんとなくでも着くのが俺です。
しばらく歩くと白い城みたいな建物が見えてきた。
『でか、』
取り敢えず、何号室か聞くしかないか……。
そう、俺は失念していたのだ。
この格好で?
寮長に……?
( '−' )・・・身バレ。
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