何故か上手くいかない。

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*** 「貴方はさっきから何を呟いているのですか。傍から見ると変人ですよ。」 『へ?』 や、ややややヤバっ!!くそイケメンじゃん! やっぱりこのマニュアルに書いてあるのは本当だったんだっ!!! けどなんか、うん……絶妙に酷くない……? ま、まぁ!気のせいか!!! 「はぁ…。門を開けます。今から理事長室に行きますよ。」 『あ、はい!!!』 そんな時にも俺はきちんとマニュアルを読む。 なんか、笑顔のことを指摘するといいらしい。 笑顔のこと? なんそれ……。 うーん。笑顔のことってどゆことだろ…………。 「早くしてください。」 『あ、すみません!』 初対面だし、相手が誰だかも分からないものだから沈黙が重い……。 俺は元から沈黙というのが結構苦手なタイプ。 なんて言うの?気まずいって言うか……。 何か話してないでも安心してられる人っていうのを、見つけられたことがないからかなー。 それにしても笑顔のことってなんだろ…………。 あ、わかった!!! 『あの!名前分からない人さんって!とっても笑顔綺麗ですね!!!』 「え…?あ、ありがとうございます。」 「そ、そういえば言い忘れてましたね。副会長をやらさて頂いてます。白露 彗那 ーシラツユ セナーです。」 ゆっくりと微笑みながらこっちを向いて挨拶をする。 ほんとに綺麗…………。 世の中の勝ち組や……。 『あ、僕も忘れてましたね。』 「あ、いえ。知ってますよ。一智好 望央さん。」 『あ、はい!!』 あ、そっか。さすがに迎えに来る転入生の顔と名前くらいは覚えてるか。 「ふっ、可愛らしい方ですね。食べちゃいたいくらい?」 そう言ってこちらにだんだん近づいてくる。 そのまま壁際まで押しやられてしまった。 トンッ 『はふぇ!?ど、どゆことですか、?』 ゆっくりと顎を掬われる。 すると、かなり近くにとても整った顔があって、思わずたじろぐ。 「貴方が気に入った、ということですよ。望央さん。」 『え、なにいっ、んっ!…ぅ、ンン…ふっ……。』 チュ 「私に直接笑顔が綺麗だなんてことを言ってくれたのはあなたが初めてです。」 チュ 『…ふっ、はッ……んッ、んチュ、ふっ……』 プファ 「フフっ。とても蕩けてて可愛いです。」 耳の近くでそう言われれば、肩が震える。 てか、俺いきなり名前呼びされたよね。 そういう人なのかな……。 《この男!何かあっても気にすることが違うのであった!!!!》
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