233人が本棚に入れています
本棚に追加
疾風のようにあの場から立ち去り、教室のドアをガラリと開け放つ。
みんなの目が一気にこちらへ向いた。
『あ、あぁ、……す、すみません。おくれ、ました。』
「ぇ、授業初めてで遅刻?((コソッ」
「やばー、どんくさいんじゃないの((コソッ」
「見た目通りってことか((コソッ」
クスクスと笑う声が響く。
やっぱり人間っていきなり注目されるとかなりキョドるものだと思うんだ。
しょうがないよね!!
何も気にせず……
《ついに開き直った》
「コホン、一智好くん、早く席に座りなさい、」
『は、はい。』
周りに迷惑をかけないようにそーっと通路を通り、自分の席につく。
ん?俺、キャラとかだいじょぶそ?
めちゃめちゃ素が出ちゃったと思うんだけど。
いや、今からならまだ!
まだいける……はず、!!!
信じることが大事だって習った!!
机の下でこっそりと携帯を触り、マニュアルのページを開く。
そこにはこう書かれていた。
《堂々とするの!それが一番大事♡》
堂々……、堂々、堂々……。
堂々、ね。
ふーん、へぇー、堂々……。
黙って携帯を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!