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待って待って待って、俺の処女こんなとこで喪失!?
無理無理無理無理無理!!!!
せめてイケメンであれ!!
掴まれた所から悪寒が走る。
『絶対やだ、っ!!』
そう言って未だ自由な足を振り上げた。
それは見事俺の腕を掴んでいた1人に命中。
一連の動作を見ていたガチムチ共が慌てて臨戦態勢になった。
5人、、いけるか…、?
まぁ、唯一良くないのはこの瓶底メガネだろうなぁ……。
これによって前がめちゃ見にくい。
俺は確かに護身術も習っていたこともあるが、それも数ヶ月間で辞めてしまった。多少は心得があると言ってもバリバリに強いってわけではないし、何せ体格も違う。
どう見ても無謀だ。
しかし、こうなって仕舞えばやるしかない…のだ。
俺!こういうの!苦手なんだよ!!
あくまで俺、勝負はこの優秀な頭脳というか!!!
《こんな時でも自己評価は非常に高い奴》
まずは一人が向かってくる。
相手に視線から行動を予測し、相手の裏に回り股の間に足を挟み絡ませる。足を取られ倒れそうになった奴にその勢いをさらに上乗せするように背を蹴り飛ばす。
そうしてなんとか4人をのすことは出来たが、まだあと一人…。
そいつはただこちらを見てニヤリとした笑みを浮かべていた。
ゆっくりとそいつが俺に歩み寄る。
にじり寄られる感覚が妙に恐怖を煽り、一歩また一歩と俺に足も後ろに下がっていく。しかし、ここは体育館倉庫。それがいつまでも続くはずはないのだ。
トンッ
背中が壁にぶつかった。
俺の意識は一瞬そちらに取られてしまった。
その瞬間、目の前の奴は一気に俺との間合いを詰め、俺の顔の目に大きな手が見えた。
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