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理事長side
平気な顔で副会長にいまさっきキスをされたと語る転入生があまりにもNEWカラー過ぎて言葉を失ってしまっている。
本当にこの子編入試験満点なんだろうか……。
目の前で大きくて真っ黒なカツラをかぶり、瓶底メガネをしている男の子がケロッとしているのを見て頭が痛くなる。
これはまた……
学園になにか起こると僕の何かが察知した。
台風みたいだな。この子。
まぁ、話すことも無くなってしまったし、カードキーと生徒証とかの説明をすれば終わりでいいか。
『じゃあ、はいこれ。君のカードキーと生徒証だよ。』
「カードキー?」
『そう、学園ではカードキーがどの部屋を解除するにも使われる。色によって、開けられる部屋が変わってくるんだけど、君は特待生だからシルバーカードだね。開けられる部屋はこの生徒証を見れば分かるから確認してね。』
「あ、はい。」
『この学園生活楽しんでね。』
「え、あはい。」
この子凄い話題ぶち込んでくる割にあまり話さない子なんだな。
ほとんど無言の状態でその重そうな頭をコクコクと動かすだけであまり反応はない。
《話さない×よく分かってない◎》
それにしてもここまでして隠す素顔とは一体どんなものなのだろう。
酷いのか、逆に整いすぎているのか。
気になるな…。
少し…カマをかけてみるか。
『ねぇ。それってカツラだよね?』
「っふぇ!!い、いやぁ〜。なんのことかぁ〜。」
凄い。いきなりなんか馴れ馴れしい感じになった。
目線逸らしまくりで焦ってんのわかりすぎだけど、
これはこれで面白い。
『それ暑いでしょ?』
「それは本当に暑tっ、なんのことかわからないです、」
『そこまで言ってるんだから認めなよ。』
面白いな。この子。ほぼ言っちゃってるし。
『ねぇ。僕の前だけでいいからさ?それ取ってくれない?』
「……だ、誰にも言いませんか?」
なんか急にしゅんとした。
てれてれとしているのが丸わかりだ。
可愛い。すごく。
『うん。』
「じゃ、じゃあ……」
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