招かれざる客

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電柱の陰に立っていた目のない女が、まるで映画のゾンビのように、隆敏に向かって両手を伸ばして近寄って来る。 「ひぃいいいいいいいいい」 隆敏は必死で身体を反転して起き上がろうとする。 が、しかし、慌てているから、また倒れ込んでしまった。 その身体目がけて、女が乗りかかって来る。 大きな空洞の目が、隆敏の顔に近づいて来た。 「ひぃいいいいいいいいいいいいい」 隆敏は思い切り目をつぶり、身体に力を込めて身を縮める。 何も出来ないまま、ただひたすらガタガタと震え続けているが、女は一向に何もして来ない。 隆敏が恐る恐る目を開けると、そこには誰もいなかった。 周囲を見廻しても誰もいない。 隆敏は散らかっているコンビニの荷物を袋に入れ直すと、急いで自分の部屋に向かった。 階段を駆け上がり、二階の一番奥の部屋を目指す。自分の部屋に入る直前、もう一度あの電柱を見たけど、女の姿はない。 隆敏はホッとして、玄関のドアを開けて中に入った。
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