番外編 彼と二人、幸せに包まれる未来を夢見て

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「なぁ、よかったら少しより道をして行かないか?」 ふいの彼の提案に、「より道ですか?」と、首を傾けた。 「ああ、港の方にでも行かないか? 今日はすぐには帰りたくない気分なんだ」 「港ですか、いいですね」 私もまだ今日の高揚感が消え残っていて、少し気持ちを落ち着かせるためにも、すぐには帰りたくないようにも感じていた。 「ああ、ちょっと海風にあたるのもいいだろう?」 「はい!」と、笑顔で頷いて、埠頭が見渡せる場所をナビで探すと、ハンドルを切り車を回した。
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