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家へ帰り着くと、華さんが笑顔で出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ」
「ああ、ただいま」
「ただいま帰りました」
玄関で靴を脱いで上がろうとすると、
「もうご夫婦そのものですね」
そう華さんから声をかけられた。
「近いうちに、本当にそうなるはずだから」
すかさず彼が応えると、
「……まぁ!」と、華さんが口に手をあてて、「ようございましたね、鈴ちゃま!」と、私の身体を抱き寄せた。
「はい、ありがとうございます」
「お幸せになられてくださいね」
「ああ、幸せにするよ」
私を抱く華さんごと両腕に包むようにして、彼がぎゅっと強く抱き締めた──。
このあたたかな幸せに満ち溢れた時を、いつまでも変わることなく、あなたと──
end───
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