アタシの元彼【真実編】

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アタシの元彼【真実編】

ー4年前ー マリコはサトシと付き合って3年が 経とうとしていた。付き合い始めのマリコは 猫を被りサトシに優しく愛想を振りまいていた。 付き合ってからもそれは変わらずマリコも サトシに嫌われたくなかったので演技を 続けていたがとうとう我慢の限界が達していた。 「サトシ、アタシの身体をぶって頂戴。 アタシの身体をメチャメチャにして頂戴。  アタシ、サトシから愛を感じたいの。 この3年我慢してきたわ。でももう我慢の限界。 サトシから愛されている実感を湧いた事なんて 一度もなかったわ。毎日不安だったのよ。 毎晩毎晩、アタシ不安でたまらないの。 サトシにアタシの身体メチャメチャに激しく 愛されたいのよ。 愛してくれているって実感が湧きたいのよ。 お願いよ、お願いよ、サトシ」 サトシは急にマリコが豹変して鳥肌がたち 怖くなった。 サトシはマリコが可憐でいつも笑顔で 自信満々にしている姿に憧れを抱き、 同じ大学の中では一際目立つマリコは 地味なサトシからしたら手の届かない 高嶺の花だった。 サトシはマリコがテニスサークルに所属した 事を友人から聞き、サトシもまたマリコが 所属するテニスサークルへと入部したのだった。 「マリコさん初めまして僕サトシって言います。 テニスは高校の頃少しプレイをした事が ある程度です。宜しく。」 サトシは新入部員歓迎会のコンパでマリコの 隣をゲットし勇気を出して憧れのマリコに 話したのだった。 「あら、はじめまして。アタシはマリコよ。 サトシって言うのね、良い名前だわ。 良かったらアタシと今度ラリーやりましょうよ。 アタシこう見えてテニス出来るのよ。」 こうして、サトシとマリコは仲良くなり 大学1年の夏サトシの方から告白をし 付き合ったのだ。 だがサトシの普通のセックスにマリコは 全く感じなかった。 マリコの家庭は複雑でマリコの両親は離婚した。 マリコの母親は銀座の夜の世界でホステスをし 生計を立てていたが、ある時若い客と その後付き合いまだマリコが小さいのに 家に帰らない事が多かった。 マリコが美人なのも母親似だった。 心配した隣人のご老人夫婦がマリコを いつも気にかけ、マリコの叔父さんへ相談をし マリコは独身の叔父さんに引き取られる ことになった。 叔父さんは昔柔道部所属だったからなのか 体格が良くマリコを養子にすると毎晩マリコを 性的虐待していた。誰にも言えないマリコは その虐待がいつしかそれが愛情の意味だと 錯覚するようになっていった。 サトシは怖くなり、マリコから距離を取った。 「サトシ今日は仕事何時に終わるの?」と マリコは毎日メールをし続けた。 サトシからメールが来なくて一週間が経つが マリコは1日に何百回もサトシにメールを 打っていた。 「マリコ僕達別れよう。マリコとはもう 付き合えない。ごめんなさい。」  サトシから一週間ぶりに連絡が来たがそれが 別れのメールだったので、マリコは悲しくて 悲しくて悲しみのどん底に突き落とされた、 そんな状態に堕ちていった。 「嫌よ、いやよー。アタシはサトシと 別れたくない、離れたくない。 ただサトシに愛されたかっただけなの。 愛されていると感じたかっただけなの。 いやー。」 それから、マリコはサトシにメールを ひたすら送り続けた。電話も毎日鳴らした。 サトシの部屋にも毎日訪ねたがサトシに 全く会う事は出来なかった。 話すことさえ、メールの返事さえなかった。 ー別れてから4年が経過した頃ー 「マリコ、一度ちゃんと話そう」と サトシから一通の返事が来たのだった。 待ち合わせのカフェに行くと、サトシは 既に席に着いていた。 「サトシ、しばらくね。」 マリコはコーヒーを注文すると、サトシから 「マリコとはもう2度と会いたくない、 こうしてしつこくされるのは迷惑だ、 これはストーカーだ、やめてほしい。 もう2度とマリコに関わりたくないんだ。 ごめん。」 とサトシはハッキリと伝えて席を外した。 「いやよ、サトシ、待って。サトシ」 サトシは既に闇の中へと消えてしまっていた。 それからサトシは携帯を変え引っ越し 仕事も変え新たな新天地で旅立った。 マリコはもうサトシと連絡を取り合う手段も 失くしてしまった。
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