お気に入りカフェ【真実編】

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お気に入りカフェ【真実編】

ー4年前ー マリコは元彼のサトシと別れる少し前にちょっとお洒落なマンションへ引っ越した。 サトシと一緒に住みたくて2LDK賃貸で 月10万弱の物件を探して契約したのだ。 それからサトシと別れて暫くして、 サトシに全く連絡も取れず落ち込んでいた頃、 隣に一組のカップルが引っ越してきた。 そのカップルが引っ越し祝いとしてお茶菓子を マリコ宅へ渡しに訪ね、マリコと玄関で 初めて会話をした。 マリコはその二人の光景が眩しくて羨ましくて 悔しかった。だが高飛車なマリコは、 「あらアタシの部屋の隣に引っ越してきたのね。 わざわざお茶菓子まで、あら和菓子じゃないの? しかもどら焼き?アタシの大好物よ。 ありがたく頂くわ。こちらこそ、色々と 迷惑をおかけするかもしれないわ。 その時はごめんなさいね。 これから宜しくお願いしますわ。」 カップルは隣の部屋に戻るとマリコは玄関の ドアを閉めた。 マリコはなんとか挨拶をすませたが、内心 穏やかではなかった。 「冗談じゃないわよ、なんでアタシが 不幸なのに人の幸せを見せつけられなくちゃ ならないのよ。何よ、バカにしてるつもり、 何様なのよ。」 これからマリコの嫌がらせが始まった。 外で隣のカップルと会うとマリコは、 「あら、失礼」とカップル二人の間を裂ける ようにマリコは真っ直ぐ突き進んだ。 最初の3年はこの程度で済んだのだが、 4年目になると、マリコの気性も激しくなり、 隣のカップルと道端で会うと、マリコは 「いつもいつもお宅の声がうるさいのよ。 いい加減にしてちょうだい。アンアンアンアン 毎日毎日唸ってるんじゃないわよ。 毎日毎日夜遅くにセックスばっかりして 馬鹿じゃないの?アタシはうるさくて 寝られやしないわ。」 と苦情をまくしたてたのである。 ー昨日ー マリコは久しぶりに自転車を運転すると、 カフェまで坂を登るのに力いっぱい漕いだ。 そこでモーニングにスクランブルエッグの セットを頼んでしばらくすると、 隣に住む二人組のカップルを店内で見つけた。 マリコはすかさず水が入ってるグラスを掴み、 隣に住む二人組のカップルに水をかけながら 「もううんざり、あんた達がなんでここに いるのよ。アタシのオアシスまで邪魔する気? この泥棒猫ー」と怒鳴りちらかした。 二人のカップルはマリコに関わりたくなく、 すかさず会計を済ましカフェを出たところ、 マリコも会計を済まし自転車で二人のカップルを 追いかけると下り坂で、マリコは二人の間を 急スピードで突き進んだ。 「お邪魔よー」 その後、すぐ、二人のカップルが引っ越したのは言うまでもなかった。
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