妄想マリコ

ねぇ、覚えてる？【妄想編】

ねぇ、覚えてる？
あれはいつの頃だったかしら、ほらあの噂よ。
あら？貴方、まさか忘れたとは言わせないわよ、
あんなに騒がれたじゃないの、あら、いやだ、
アナタ、演技がお上手ね。

今のアタシは今をときめく華のＯＬイケギャル
マリコ２５歳、もうそんな歳になったのね。
桜の色は華やかでそして儚いものね。
まるでアタシの生き様よ。
ああ老婆になってすぐ死んでゆくんだわ、
ああ、嫌よ、イヤ。話が飛んでしまったわね。
小野小町がアタシに乗り移ったのかしら。

話を戻すわね、
そうね、アレは今から１０年ちょっと前かしら。
アタシ達は仲の良いまるで兄妹のような
お友達だったわね。あの頃は若かったわ。

アタシ達は中学三年生で初めて同じクラスに
なれたわね、懐かしいわ。
アタシ達のクラスである噂が広まってたのは
覚えているかしら？
あら、いやだ、もう忘れちゃったのかしら？
貴方本当にアタシ達のクラスにいたのかしら？
もう、皆、あの噂の事を話していたじゃないの。

カズキが自殺したわよね、アタシ達のクラスで。
あの噂のせいで自殺したのよ、きっと。

あの噂、あの噂は、
サキとエリがカズキを犯したという話よ。
えっ？なんか変ですって？
えっ？女が男を犯すが変ですって？
あら女は意外に強く男は意外と弱い生物なのよ。
もう２５歳になってそんなのも判らないなんて、
情けないわ。貴方も弱いじゃないのよ、
シッカリしなさいよ。

あの噂、あれ、実は本当の事なのよ。
アタシ見たのよ、でもアタシ、
何も話してないわよ。アタシの他にも誰か見て、
きっと言いふらしたのよ。

アタシが文化祭の実行委員会に選ばれ、
あの日クラスの皆が帰った後、
文化祭の実行委員会の集まりがあって
夜遅くまで残っていたのよ。
アタシこの性格でしょ？
えっこの性格が判らない？
アナタ、何年幼なじみやってるのよ。
本当にもう、何も見てないのね。まあいいわ。

アタシ、自分が納得しないと気が済まない
性格なのよ。だから、
先生の方針が少しおかしかったものだから
先生と言い争いに、いえ、意見の討論をしてて
気がつくと他の生徒は誰も残っていなかったわ。
アタシとその先生だけなのよ。

それからアタシもう夜遅くなったので
先生からもう遅いから帰りなさいと言われて
教室に戻り荷物を持って帰ろうとしたのね。
その時、隣の部屋から誰かの声がしたのよ。
アタシ怖くなってアタシ幽霊とか嫌いでしょ？
でもその声が何かを突き止めたくなっちゃって
アタシ隣の理科室をこっそり開けたのよ。
中は真っ暗で、でも目が次第になれてくのね。
裸の男の子とその周りに二人の女の子が居たわ。

薄暗かったけど、男の子はカズキ。
女の子二人は、サキとエリ。
３人ともアタシのクラスメイトよ。
サキとエリはカズキを裸にして虐めていたのよ。
でも虐めていたのかしら？
確かにカズキが唸っていたわ、カズキの声ね。
エリとサキがカズキを裸にして四つん這いに
させていたわ。
エリは手に何か棒のような物を、
サキは自分の足をカズキの背中に乗せていたわ。
あれはレイプよ、間違いないわ。

アタシ怖くて逃げたのよ。そして何も
見なかったそう自分に言い聞かせて
カズキを助けもせずアタシ何事もなかったように
普通に過ごしたわ。それから暫くして
とある噂が、クラスに流れるようになったの。
それがね、驚く事にアタシが見た通りの
事柄だったのよ。

あたしの他にも誰か見たのよ。
誰かが見てあの噂を誰かが流したのよ。

貴方、今、ニヤリと笑わなかった？
貴方、まさか、そっちなの？ゲイなの？
嫌だあ、えっ？貴方、カズキの事が、
好きだったの？
でも変よ、アタシがこの噂の話を質問した時、
アナタ、何も知らない顔していたわ。
ちょっと待ってくれるかしら、待って。
カズキが亡くなったのよ。
クラスメイトならあの噂の事、
忘れる訳ないじゃないの。
嫌でも覚えてるものよ。
アナタ、まさか、本当にカズキの事が
好きだったんじゃないの？
だからカズキに興奮して、そういえば、アナタ、
いくら幼馴染とはいえ、
アタシは一応クラスのアイドルだったのよ、
そのアタシがずっと小さい頃から
仲良く育ったってのに
アタシに１ミリたりとも興味なかったわよね？
まあ、アタシは少しだけだけどアナタに
惹かれた事もあったのよ。
一緒にいたら判るわよね？
でもアナタからは１ミリも視線さえ
感じたこと無かったわ。
だから、カズキの全裸の話をしたとき、アナタ、
ニヤけていたのね、不謹慎よ、
いやらしいわ、アナタ変態ね。