森の中のトンネルの怪物

10/15
前へ
/15ページ
次へ
「誰か向こうのほうでこっちを見てるよな?」  パースはビビりながらもみんなに問いかけた。みんながその気配を感じとった。けれどもブランカはギターを弾く手を止めない。 「おい、ブランカ!こんな時にギター弾いてる場合か!戦闘態勢だろ普通!」  パースがブランカにいうと、 「俺はギターで世界平和を目指すと誓ったんだ。それに、俺が襲われることはない。なぜなら、シオンがそばにいてくれるからな。」  ブランカはニヤッとしながら、シオンを見ていった。シオンは冷や汗をボタボタ流していた。 「えっ、僕…。いや、うん…。」  シオンも覚悟を決めたように「何者か」に体を向けた。その瞬間、 「ウッキキキィ~!!!」  と「何者か」は叫んで、こちらに駆けてきて、ブランカの周りを小躍りし始めた。 「…へ?」  一同は予想外の展開に再び凍りついた。よく見てみると、「何者か」はムキムキのお猿さんだった。とても体格の良い、どっしりとしたお猿さんだ。するとシオンが、 「ウキキキキ?」  とお猿さんに何やら話しかけた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加