森の中のトンネルの怪物

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「え、ちょ、こんな展開ありかよ?」  パースは今日何度目かと思いながらズッコケそうになった体を起こした。 「ウッキキッキキ!」  シオンとお猿さんの他人には理解できない謎の会話が始まった。しばらくするとシオンが、 「要約すると、このお猿さん、ジョージは暑いのが嫌いでこのトンネルに住み着いたそうだ。暇さえあればこの中でトレーニングしたりして快適に暮らしてたみたいなんだけど、つい数週間前から人間も来るようになって、それが崩れた。だから、人間を怖がらせればもとの生活に戻れるんじゃないかと言ってるよ。ついでにいうと、音楽がとても好きらしい。久々に素敵な演奏をありがとうと。」  と一気に話した。 「オーマイガー…。」  みんながそう思った。 「じゃあ怪物はジョージのことだったんだな!」  ブランカは少し残念そうに、でも明るい声で言った。 「でも、盗んだジュエリー類や財布や時計はどこにあるんだ?」  パースは不思議そうに尋ねた。再びシオンが聞き取りをして、 「トンネルの外の木に吊るしてあるからついてきてって言ってるよ。」  と言った。
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