森の中のトンネルの怪物

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「この子は僕のお友達です。一緒にトレーニングしているマッチョ仲間です。」  シオンが素早く通訳した。 「確かにマッチョではあるが…ってそんなことはどうでもいいんだよ!脅かすんじゃねぇよ!ややこしいんだよ!普通に現れてくれ!」  ブランカは今日で何日寿命が縮んだろうと考えながら言った。 「このコウモリは巨大になりすぎたせいで、仲間外れにされて、1人寂しくこのトンネルにやってきたんですが、そのあと出会ったジョージと仲良くなって現在に至るそうです。ちなみにジョージも一緒に人間を怖がらせていたと。」  シオンはまた素早く通訳してみせた。 「確かにコウモリにしては成長しすぎてるな。一体何を食ったらそうなるんだよ。」  ブランカは呆れながら言った。  もうこれで襲ってくるものはいない。  そう思うとみんなの足取りも次第に軽くなっていった。ブランカはギターを弾きながら、パースは歌を歌いながら、ジョージは踊りながら、一同はにぎやかに暗いトンネルの中を明るく行進して行った。 「うわぁ、眩しい!目がやられる~。」  パースは久々の太陽に目を覆った。やっと長くて暗いトンネルから脱出できたようだ。  ジョージの案内で一同は、ジュエリーや財布をまとったゴージャスな木にたどり着いた。 「これはどっかの大富豪の庭の木みたいだな。」  ブランカは苦笑いしながら言った。そこからみんなで吊るされたネックレスやら財布やらジュエリー類をせっせと降ろした。数はそこそこあったが、みんなでやれば一瞬だ。 「よぉーし!目的も達成できたことだし、もときた道を戻るとするか!」  ブランカはやりきったと言う目で一同に言った。
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