森の中のトンネルの怪物

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「あの森の中のトンネルは長い間使われておらんかったんじゃ。その間に怪物が住み着いたと聞いておる。つい数週間前、おしゃれなレディが興味本位でそのトンネルの中に入っていったんじゃ。トンネル自体はとても長くて暗かったそうじゃ。何か面白いことでも起こるかと期待していたレディは何もなくトンネルを出たので、面白くないなと思っていたら、レディが身につけていたネックレスやジュエリー類が全てなくなっていたそうなんじゃ。また、別の若者はスボンに入れていた財布がごっそりなくなっていたとか。唯一その怪物の姿を見た者は、大きな黄色い目玉が2つ、目の前に現れたかと思ったら、腕につけていた時計が消えたと証言しておる。どのみち怪物が住んでいるのに間違いはなさそうじゃがの。」  老人が話し終えた後、パースはゾクゾクしていたが、ブランカはもうやる気に満ち溢れていた。 「おじいさん、貴重なお話ありがとうございます!よろしければ僕のギターの演奏を聞い…」  言い終わらないうちに、今度はパースが 「ありがとうございました!!」  と言いながら、ブランカの耳を引っ張っていった。 「いたた…何すんだよ、パース!」  ブランカは赤くなった耳をさすりながら言った。 「こんなところで道草食ってる場合か!こんなところで呑気にギター弾いてる場合か!」  珍しくパースが強気で言ったので、ブランカもしぶしぶ森へ向かうことにした。
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