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一瞬3人の動きが止まった。パースは凍りつくように背筋がゾクゾクした。ブランカは振り返ろうとしたが、体がいうことを聞かなかった。女の子も恐怖で凍りついてしまった。
最初に振り向いたのはブランカだった。ブランカの目に入ってきたのは、巨大な体の男だった。暗くてもよく見えた。ガッチリとした体だったが、顔の方はよく見えなかった。ブランカはサッと構えの姿勢をとった。完全に戦闘態勢だ。
「おい、パース!女の子をしっかり守っ…」
「うわぁーん!!会いたかったよ!」
ブランカの言葉を遮って巨大な体の男と思われるやつが女の子のもとに走り、抱きついた。
「…へ?」
ブランカもパースも開いた口が塞がらなかった。
状況が良く飲み込めなかった。
「え。つまり、その、君は誰??」
パースはやっとのことで女の子にしがみついているやつに声をかけた。
「お友達よ!」
女の子が明るい声で答えた。
「嘘だろ、だって、完全に大人…いや、顔は子供か。体だけが馬鹿みたいにでかいのか。」
ブランカは呆れたように言った。
「怖がらせてごめんなさい。僕がお友達のシオンっていいます。12才です。」
シオンはぼそぼそと小声で言った。
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