黒い絵画

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隣人の男が死んだ。 名前は何だったろうか。 まぁ、どうでもいいことだ。 清々した、と彼を知る人物は皆語っている。 だが、私は『何も感じなかった』。 隣人が死んだのにだ。 まるで、どこか知らない国の知らない人が死んだことをニュースで見た時のように。 『隣人に関する一切の感情』をどこかに置いてきてしまったよう。 死因は何だったのだろう。 窒息死だと、もう片方の隣人が楽しそうに言っていた。 煤のような物を無理やり詰め込まれたのだそうだ。 これはよくトラブルで警察にも相談していた私には特別に、と言っていた。 本音は私に容疑がかかっているからだろう。 それでもアリバイや証拠足りえる物がなく不可解な事故として処理されるだろうとも言っていた。 毎日続く騒音、言いがかり、など挙げればキリがない。 あぁ、憎い憎い憎い憎い憎い憎い。 全身が燃えるようだ。 憎しみで燃え尽きそうだ。 あぁ、あぁ……どうすれば。
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