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配信名:ラインの交換の仕方
配信名:ラインの交換の仕方
「おいっす」
「やぁ、タケルにも春が??」
「こんばんわ、かなだよー!!」
「えぇ、こんばんわ、実はですね……」
「ん?」
「どした?」
「気になる方ができまして」
「今自分予備校生なんですが…、そこで、」
「えっ、たける浪人生?」
「てか浪人なのに好きなことが配信してていいの?笑笑」
「えっ、どんな女の人?」
「授業がたまたま一緒で…、でもネグラなんでどうしたらいいか…」
「タケル顔見せろ」
「タケルイケメン計画」
「かな、本気出すね!!」
「顔はちょっと…、あっ、マスクすれば…」
そう言って近くにあった箱入りのマスクを一枚取り出し、つけた。
「どっ、どうですか?」
「どうって、前髪長!!笑」
「わっかんねぇ」
「前髪あげて〜」
「前髪…、こう??」
「やっぱイケメンだったか。」
「二重で涙袋大きめ…勝ち組目…。」
「やっぱりわたしのタケル!、」
「も、もう恥ずかしいので終わり」
顔は見れないが明らかに体温が上がってるのを感じたので、パタパタと手であおぐ。
「美容室行ってセンターパートにセットするって言って切って貰えば??」
「あと眉毛だよな」
「センターパートいいね、はやりだし、たける目も綺麗だし似合いそう!」
「センターパート??言えば伝わるのかな…」
立て続けにかなちゃんからのメッセージが続いた。
「美容室怖いんだよな…笑」
「振り向いてもらう前に取られるぞ」
「頑張れ、ぶつからなきゃ伝わらないこともある」
「いきなりバット振る前にキャッチボールからな」
「ありがとう、予約取ってみるね」
「あっ、こんな時間だからおわり、またね〜」
「バイバーイ」
「じゃあね」
「さよならー!」
「あっ、今日も見逃した!!おやすみ!!」
「あっ、笑笑、また今度やるから見てね!」
「またね、みんな」
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「顔出し、緊張したな。」
でも、人生で初めてかっこいいと言われた高揚感に溢れていた。昨日以来触っていなかったスマホに手を伸ばす。
Googleで美容室を調べる。
「結構するんだな……。」
人気ランキングの一番上にあった美容室の予約を1分ほどで取ってスマホをベッドへ放り投げた。
空を舞うスマホが光った気がしたが、気のせいだろうと思って部屋を後にした……。
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