まとわりつく砂、その背中

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とても単純で簡単で、熱しやすくて冷めやすくて、すぐに夢中になるくせに、飽きたら躊躇なくそのへんに捨ててしまう。暖人のことをヤリチンだと言った彼女達は、友達だけど客観的に言ったらビッチだと思う。だけど私はそれを別に嫌だとは思わない。嫌いとも思わない。だったら一緒にいないし遊びにだって来ない。先程も言った通り、私は羨ましいのだ。憧れているのだ。 よく周りから言われる、なんであの子達といるの。逆に私が聞きたい。じゃああなた達といるのが正解なの?って。 「……暖人」 「……」 「ああ言われてるけどどう思う?」 「……」 既に灰色の塊と化した彼に近づいて、現れている顔を見下ろしながら問いかける。相変わらず綺麗だ。透き通るようなきめ細かい肌も、影を落とす長いまつ毛も、すっと通った鼻筋も、形の良い唇も。うん。やっぱり好きだな。なにより顔が最高に好き。 「……自分達のこと棚に上げて人のことボロくそいう女達だな、と思った」 パチ、と瞼が開いて、色素の薄い琥珀色の瞳が私を映す。影になってるとはいえ眩しいのか、すぐに目を細めてしまったけど。 「でも1番悪いのは奏音だと思った」 「どうして?」 「……俺のこと好きって、なに」 「……」
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