まとわりつく砂、その背中

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「俺、何回も奏音に告ってるはずなんだけど。結構前から女遊びもやめて奏音だけしか見てないんだけど」 「……」 「俺を弄ぶ、なんて悪い女なんだ……」 「……それでも私の事好き?」 遠い目をして私の悪口を言い募る暖人に、優しく微笑みながら問いかける。茶化すような態度にむっと拗ねた表情を浮かべた彼だけど、それでも私を真っ直ぐに見つめながら言ってくれた。 「大好き」 「……」 「奏音だけ好きだよ」 「……そっか」 「奏音は?」 琥珀色がキラキラ煌めく。太陽の光を反射して、無数の輝きをそこに秘めながら暖人は私を見る。恋をしてる瞳ってきっと、今の暖人の目のことを言うんだろうな。 「暖人動けないよね」、そう自分で問いかけといて、え、と聞き返す彼の口を塞ぐように軽くキスをした。 そしてすぐ顔を離せば、何が起こったのか理解していない暖人の表情。完全に固まってしまってるから、それが可愛くてまた軽くキスをする。暖人の動けないうちに、と更に試みようとした私の後頭部にいつの間にか大きな手が回って、驚いたと同時に引き寄せられ、さらに深く唇を奪われた。 「……すごい」 「……」 「自力で砂から抜け出せたの?」 「……煩悩が勝利した」 「わー」 「……奏音、もう1回」
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