みたされる心、その渇望

4/6
前へ
/51ページ
次へ
「……やっと、3ヶ月。まだ3ヶ月」 「……」 「俺が奏音の特別になれて、たった3ヶ月しか経ってない事実に病む」 「……」 「倦怠期って何それ。そんなんしてる暇ないし、片鱗もないんだけど。倦怠期になる以前に俺はまだ全然満足してない。永遠に奏音が欲しいし、時間が許す限り触ってたいし、一緒にいたいし、笑ってたいし」 「……」 「まだ好きだって言い足りない」 「……」 「足りないんだよ、なあ」 どうしたら、満たされる? 真剣だ。いつだって真剣なんだ暖人は。 普通だったら気づかない些細な感情も行動も、細かいところも見逃さない。気を抜けば無くしてしまうくらいの小さなときめきもきらめきも、落とすことなく拾い上げて私にくれる。全身で全力で欲しいものをくれようと努力してくれる。だから、私にだってその答えは、 「分からない」 「……」 「私にだって分からないよ。私だって足りないもん」 「……」 「ドキドキしなくなった? 嫌なところばかり目に付くようになった? スキンシップがなくなった? 身だしなみに気をつけなくなった?」 「……」 「真反対すぎて笑っちゃうよ」
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

164人が本棚に入れています
本棚に追加