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気づいたら体の砂を追っ払った暖人が起き上がり、私を抱き寄せて顔を近づける。私は特にそれを否定せずに目をつぶった。
これは始まったというべきなのか、それとも新たなる遊びの始まりなのか。私は確かに彼に恋してるつもりで、だからこそ暖人が私に好きって言ってくれたのを信じられなくて、ちょっと悪い女ぶったりもして。
羨ましくて憧れだったから、振り回してみたかったの。でも触れてしまった熱は私の気持ちを急速に高めていく。
もしかしたらすぐに飽きて捨てちゃうかもね、もしかしたら捨てられちゃうかもね。それでも、今はこの熱に手を伸ばしてもいいよね。
砂だらけの彼の背中に、そっと手を回して。
今だけは私のものってアピールするように、暖人をぎゅっと抱きしめた。
まとわりつく砂、その背中 fin
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