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ライバル
体の火照りがおさまり、充電された占い師はパチっと目を開けた。
「ん? ここはどこです?」
無意識に連れてこられた占い師は、1〜2歩進んで自分の居場所を確認した。背後ではグィーンと自動ドアが閉まり、時計の針が動き始める。
「あら。顔色少し良くなったわね。あなたね、さっきまでとっても具合悪そうで、干物になる寸前だったのよ? ここはね、私が信頼している先生がいらっしゃっ……」
「ーーどうぞ。麦茶です。お飲みになって」
芋田が信頼するという先生が、テーブルに麦茶を3つ置いた。歳は40代前半だろうか。紫のワンピースを着た細身の女性である。
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