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俺たちスラムのガキは当然、学校に行けない。勉強も知恵も無理やり身につけるしかないしそれも無駄な努力に終わることが多い。読み書きができるやつは俺を含めてやっと両手で数えられるくらいだ。
ましてや……
「すごいよねー、スカーレットは。記憶容量の操作、独学で覚えちゃうんだもん。スラムに居るのもったいない……」
「やめろ。俺はお前……と、あいつらのために生きてる。いつもそう言ってるだろ」
そう言うとシアンは蕩けた目で笑ってみせた。
「逃げるぞ。立てるか?」
腕を掴んだ。袖越しに妙な熱を感じる。
「……」
シアンはよろよろと立とうとした。でも力が入らず、無様に地面を滑る。
俺はしゃがんでシアンに背中を向けた。
「ほら」
背中にシアンの体温が重なる。肩に垂れた両腕を確認した。
警備兵の足音がまた近づく。
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