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「ねえ、スカーレット……何であいつら追いかけてるのー?」
腕を引いたシアンが無邪気に尋ねた。
「チップを盗ったから?」
「いや――」
そこで気づいた。
やつらは普段だったら近寄りもしないスラムに入ってまでシアンを殺そうとしてる。今回振り切れたとしても、次、また次と来るかもしれない。
俺たちはその度に逃げないといけなくなる。
「……チップを盗る以外、何もしてないよな?」
「してないよー?」
その理由をこいつが知らないまま、訳もわからず。
だから、スラムを捨てると決めた。
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