Scarlet -1

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 シアンは力なく頷いた。 「でも逃げる途中で見つかって……」  言葉が途切れ、血だらけの手を動かそうとする。 「ナイフ持ってたのは向こうだよ? ボクは捕まりそうになったから抵抗しただけで……それで……」  警備兵殺しか。  さっきのやつら。  スラムのガキごときに仲間を殺されて、コケにされたことに逆上か。  それでシアンを……  意識した途端、全身に痺れが走った。  そんなことさせるか。 「……ねえ、偉いでしょ、ボク?」 「は?」 「チップ盗ってきて。これでみんなにも記憶、容量増や(インストール)してあげられるもんね」 「俺ができるのは容量を空ける(フォーマット)だけだ」 「スカーレットならすぐ覚える……ボクやみんなみたいにバカじゃないから……」
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