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次の日、仕事に穴を開けることも出来ず、僕は渋々仕事場へ向かった。
彼には謝ろうと思った。
いきなりあんなことをされて戸惑っていたのは彼だと思ったからだ。
僕はいつもの営業スマイルで、自分のスペースへ向かう。
相変わらずの無表情で彼はパソコンと向き合っていた。
僕は気持ちを抑え、彼に話しかける。
その時も彼は無表情だった。
僕は彼を屋上に呼び出し、昨日のことを謝った。
疲れていたことにして、誤魔化した。
彼は動じず、受け入れてくれた。
僕はその表情を見て、少し意地悪をしたくなった。
彼の手を掴み、僕はできるだけ平常心で問いかける。
「もし、僕が君を好きって言ったらどうする?」
彼は驚いた表情をしたのか、少し目を見開いている。
しかし、いつもの表情と変わらない。
僕は冷や汗が出た。
僕は苦笑いをうかべ誤魔化す。
慌ててその場から逃げようとした。
しかし、彼が僕を呼び止めた。
「じなおもくぼ」
僕は聞き返したが、彼は俯いたまま僕を追い越して出ていってしまった。
僕は言葉の意味がわからず、その言葉も忘れてしまった。
その日の仕事は、いつも彼と一緒にしていたけど、彼は珍しく帰っていた。
いつもギリギリまで仕事をしているのに珍しかった。
僕もその日は早く帰った。
帰って、ふと彼の言葉が浮かぶ。
でも意味がわからなかった。
僕は彼の言葉の意味が聞きたくて、早く家を出た。
会社の近くに人だかりができていた。
僕も気になる人と人の間から顔を出す。
その瞬間僕は体の感覚が無くなった。
彼が倒れていた。
すぐに救急車で運ばれる彼。
僕が見た限り、彼は意識がなかった。
血の気が引いていた。
僕は
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